以前の記事に最後の部分で追記をしております・・・
我が家の息子も順調にベルリンでの学校で学んできていますが、11年生の今年は、数学と物理の先生が学校に来ないで、授業をほとんどしなかったという状態になりました。
これは良くないということで、転校をすることにしましたが、ベルリンでは、多くの生徒が簡単に転校をしているのですね・・。
ベルリンのギムナジウムでは簡単に転校ができる!
息子も、いつも数学と物理の授業がないということで、もうあきれてしまい、自分で転校する学校を探していました。
自分で学校の事務室へ応募書類を提出して、特に転校に理由も聞かれませんし、学校サイドで校長先生との話し合いをして決めていくようです。
息子によると、目立たないようですが、多くの生徒が自分が有利になる学校への転校をしているようです。
現在の学校は、ベルリンの中でもわりと良い学校に入っているはずなのですが、こんな感じで、ランキングなどもあてにならないことがわかります。
ネットで調べると、学校ごとの外国人率なども書いてありますので、息子は全て調べていましたよ。
最後のアビトウア(高校卒業、大学入学試験)のことを考えると、学校ごとの評価の方が重視されますので、できたら、日本人として、もちろん外国人ですので、外国人率のわりと高めな学校を選択する方が有利になります。
ギムナジウムでなくても、ゼクンダールシューレの選択でも良いと思います。中には、ゼクンダールシューレの方が評価が高く、人気な学校もたくさんあるのです。
ギムナジウムという名前が一人歩きしているところもありますので、ベルリンでは、ギムナジウムもゼクンダールシューレもほとんど同じであると思った方が良いと思います。
ギムナジウムとゼクンダールシューレ
12年生で終了するのが、ギムナジウムで、これは、経費を削減するために早めに生徒を卒業させる意味があると聞きました。
13年生で終了するのが、ゼクンダールシューレです。大学入学までに多くの時間をかけた方が良い方はこちらの方がいいですね。
高校卒業試験、大学入学試験は、アビトウアといいます。
ベルリンでのアビトウアの5科目の試験は、
- 発展コース Leistungkurs 2科目
- 基礎コース Grundkurs 2科目 この中で1科目は口頭試験
- プレゼンテーション 1科目
このようになっているようです。
口頭試験とプレゼンはどう違う?と思いましたが、違うそうです。口頭試験は、先生から質問が口頭で飛んでくるのに対して、プレゼンは、自分の発表が主になるようです。
ここで気をつけなければいけないのは、ドイツの大学は、入学しても喜んではいけません!!入学の3分の1程度しか卒業ができない、10人のうち3人しか卒業できないからです。大学に入学すればいいというものでもないようですね。ほとんどが消えて行くと書かれている方も・・。ですので、卒業したら、大学名を書いた方がいいですね!
これはどういうことかと考察しているのですが、日本の考え方と違い、本当に自分が好きで得意な学科でないと卒業までには到達できないよ・・・ということだと思います。
日本の大学のように、資格のために卒業だけすればいいという考えだと、卒業までは到達しない、難しいということだと観察しています。
日本のように、アルバイトをしながら、大学を卒業しようとすると、学業がおろそかになり、卒業できないのかもしれませんね。
大学入学までに、自分が好きなこと、得意なことに対して、突き抜けるようにしておかないといけないと思います。
また、ドイツの大学は、総合大学と専門大学がありますが、専門大学は、日本の専門学校とは違います。
専門大学でも卒業のときは、学士ですので、感覚的には、ドイツの専門大学が日本の私立大学で、ドイツの総合大学が日本の国立大学という感じでしょうか・・。この辺りもよく間違えられる点だと思います。
ドイツの総合大学で点数が取ることができない場合は、専門大学へ流れているようです。
自然淘汰されて、本当に実力がある方だけが残って行くので、それもその方にとって良いことだと思います。
本当にその道に適していれば、卒業ができるということで、わかりやすい結果だと思います。
これも自由な環境で自分に本当にあっているところを探すチャンスを与えてもらっていると捉えると良いのですが、日本的な価値観だと、留年をしたとか、退学とか、レベルが低くなったとか・・など、競争社会での考え方になってしまいがちです。
もちろん、ドイツでも大企業に入社したい場合は、良い大学で良い成績が必要で、さらに縁故も必要であると思います。日本でもバブル当時は、良い成績の方は、当時のお堅い銀行などに大学から推薦されて入社したのと同じだと思います。日本も縁故社会ですが、同様に、ドイツも縁故社会ですね。
最初はウェルカムクラスから
ベルリンについて眺めていますが、ベルリンでは、小学校であっても、12歳以上であっても、最初はウェルカムクラスからはじめていきます。
ベルリンの地区ごとの学校教育事務所に、ウェルカムクラスの担当者がいて、すべて管理しているようです。ウェルカムクラスは、移民クラスですので、まだ、ドイツ語があまりできない方専用のクラスになっているようです。難民専用ではないようです。
最初に英語がどれくらいできるのか、ドイツ語はどれくらいできるのか、その他の言語はどれくらいできるのかを調査票に記入します。学校の空き状況にあわせて、住所に近い場所のウェルカムクラスに行くように指示が出されます。学校が決定しましたら、健康診断をしてから、学校に登校するようになります。
アジア圏では、ベトナム、中国、韓国、タイ、日本などの生徒がいるようです。また、シリア、アフガニスタン、イラン、イラク、アフリカ諸国、キューバ、ポーランド、ブルガリア、スペイン、ウクライナ、ロシア出身の方たちがいらっしゃいます。中には、家庭教師をつけて、スパルタ式に真剣に取り組んでいる生徒さんたちもいるようです。
そんな中で、日本人としてはどのように進んでいけば良いかについてですが、やはり、将来的にどうするのか、子供がどこを目指して行くのか、また、親のビザがどれくらい更新できるのかによって決まります。
ドイツは州によって学校は管理されていますので、州ごとで確認する必要があります。
ドイツで生まれたお子さんとは、学校の環境や親の環境なども違ってくると思いますので、比べないで、自分なりに進めて行くことが大切になります。
息子情報によると、学校側も、移民クラス、ウェルカムクラスから来た生徒がどれくらいのレベルで進んで行くかを実験的にながめているそうです。
英語圏留学を終えてからの生徒を歓迎しているところがあるようです。ベルリンの学校は、イギリスやオーストラリアに滞在していたこと、英語ができることを高く評価していると思われます。
英語ができてからのドイツ入りがおすすめです
さて、ドイツで生まれ育って来ているドイツ人の生徒たち、10年生、11年生くらいになると、どれくらい英語ができるのだろうか?? と知りたい方もいらっしゃると思います。
親が英語圏の家族出身の方もときどきいらっしゃいますので、そのような方は除いて、普通にドイツだけで過ごして来ている生徒は、女子で言語系が得意な生徒は、英語の本も読むことができるようです。
実際に息子はその女子生徒に英語の本を貸していました。しかし、男子生徒、理系の生徒たちは、まだ、英語の本をすべて読めるほどの英語力はないように見えます。
また、英語圏の映画、ドラマを英語で見て楽しむ状況までには至っていないようです。ドイツ語で見ることができますので、そちらに安易に流れてしまうようです。
しかし、やはり、日本人の高校生よりは英語ができるところがくやしいところですね。ボキャブラリーなどは、日本の高校生と同じくらいだと思うのですが、コミュニケーションとして使えるかどうかにおいては、ドイツ人の生徒の方ができていると思います。
ドイツ人の生徒は、英語圏の映画やドラマでも、ドイツ語で観ているようで、息子などは、『これ、ドイツ語で見ても、コメディーの面白さが堪能できないだろ!』・・・と言っていました。
日本人として、ドイツ語は、ドイツで生まれた方と同等になるまでには、10年以上かかりますので、できたら、英語はドイツ人の生徒よりできるようにしておくのがおすすめです。それでないと、日本人として、どこで自信を持って良いのかわからなくなるからです。
ということで、できましたら、ドイツ親子留学をする前に英語圏で留学なり、親子留学をしてから、ドイツ入りをした方が、将来的には良いのではと観察しています。
なぜ、10歳ごろまで日本の教育を受けてから海外に出ると良いのか?
どんなに早期教育をしても、10歳になると、全員が次のスタートラインに並ぶと言われています。10歳で四則計算、漢字などもすべて一通りできるようになりますので、日本で10歳まで教育を受けた方が、日本語のためにも良いと思います。その後は、小学校卒業くらいまでの漢字などは自力で学ぶ必要があります。
オーストラリアの日本語補習校で聞いた話ですが、ハーフのお子さんは、よほど自力で継続するか、その環境でないかぎり、10歳で日本語の能力の伸びに限界が来ると聞きました。中学の日本語補習校では、ほとんどが辞めてしまうと言っていました。ハーフのお子さんたちも、日本語を習得することに奮闘していることがよくわかる事例です。
日本人の子供の問題はそこではなく、10歳までは、日本の教育をしっかりと受けたら、そこからすぐに英語圏に行き、英語を急いで習得するところがポイントになります。
そのまま英語圏での留学ができる方は、継続していけばよいのですが、学費に問題がある方は、欧州に移住していけばよいことになります。
ドイツのベルリンの小学校の教育が壊滅的であると発言されている方もいましたので、10歳までは、日本の教育を受けた方がよいのかもしれません。
もしくは、ベルリンでインターナショナルスクールを検討されている方も多くいらっしゃいますので、まずは、英語習得のために、インターの選択も良いかと思います。
インターナショナルスクールは、学費が年間180万から200万かかりますので、オーストラリア親子留学やニュージーランド親子留学と比較して検討してみてください。
日本人の子供さんは、日本語、英語、ドイツ語と習得して行くのは大変ですが、まずは日本語がしっかりしていれば、英語でもドイツ語でも慣れさえすれば、日本語からの、レベルの高い思考ができますので、子供の年齢と時期を見逃さないで、進めてみてください。
14歳からのドイツ語は大変であるが、乗り越えることに意義がある!
我が家は14歳からドイツ入りをしています。10歳から13歳までは、オーストラリア親子留学をしていました。
14歳からのドイツ語で、ウェルカムクラスを経て、ギムナジウムに入学したのですが、最初はベルリンのレベルの高い、つまり、外国人率がたった3%のギムナジウムに入学ができたのも、
英語圏に3年いたということ、オーストラリアから来たということが先生たちに受けがよかったこと、また、数学は普通より抜けていましたので、(そろばん、フラッシュ暗算1級以上や数理教室などで、数学については鍛錬してきています。)そこあたりを認められというか、実験的に校長先生が観察していたのだと思いますが、入学したのですが、実際のところは大変だったと思います。
息子も今から振り返れば、よくあのギムナジウムでMSAを通過したな・・と言っておりました。
よく調べてみると、ベルリンのギムナジウムのレベルもピンキリで、色々な学校があります。たぶん、ベルリンのトップのギムナジウムは、バイエルン州の普通レベルなのかな・・とも想像しています。
転校をした外国人率40%くらいのギムナジウムでも、外国人背景があっても、全員ドイツで生まれているそうです。14歳からドイツに来たのは、息子だけのようで・・・
実際に、レベルの高いギムナジウムで使うドイツ語と、現在の普通レベルのギムナジウムで使うドイツ語が違うし、先生の教える方針もかなり違うといっていました。
私は、子供に無理をさせてはいけない・・・と思っている方なので、常々、無理はさせたくないと思っていますが、無理をさせてしまったのかな・・と思うところもあります・・
男子の子育てを考えるとき、登山をしたり、海のスポーツをする危険より、学校ぐらいでちょっと負荷が多い鍛錬でもして欲しいかな・・という思いもあります。
日本での野球チームの鍛錬と比較したら、ちょっとドイツの学校が大変でも乗り越えて欲しいかな・・とも思っています。
我が家もここまで乗り越えて来たので、これからも、行ける!ということで親子で乗り越えてまいります。
日本を考えると、ちょうど母校の方たちは、大学受験でみなさん赤門あたりを目指している方も多いので、子供の教育でどっちがよかったのか・・・日本が良かったのか・・海外での教育でよかったのか・・
それは、10年後、20年後に答えが出ることだと思います。親としては、子供を守る方針を貫いておりますので、これは誰が何を言おうと揺るぎないものなので、今までと同じように、必ず良い道に導かれることになると想っています。
たぶん、うまく進まれる方は、子供を守ることを前提されている方が多く、価値観がブレないのかな・・とも思っています。
親の価値観が良いものであれば、必ず子供に伝播してよいものになります。子供の教育の大切なことは、子供の学校ではなく、親の価値観、親が毎日何を想っているのか、考えているのか・・だからです。
ですので、どんな国であっても、海外でも日本でも、親が何をこの瞬間に想っているのか、考えているのかに集中して行くのが良いのだと思います。
もし子供がうまくいっていないとしたら、親の考え、想いを変える必要があるのでは・・と考えます。
ベルリンでのいろいろな進学方法
ドイツでは、州ごとに教育、学校が管理されていますので、ベルリンでは、中高にあたるものが、ギムナジウム(12年生で終了)とゼクンダールシューレ(13年生で終了)になります。
ゼクンダールシューレでもかなりレベルの高いところがありますので、日本の価値観を捨てて、選ぶ必要があります。
考え方として、どのような学校でもアビトウアに合格をすれば大学に入学ができますので、(半分くらい点数で足切りがある学科、学部がありますので・・NCといいます・・)
移民としては、まずは、レベルの高いところはなるべく避けて、ドイツ語がまずはできるようにすることが大切です。
ギムナジウム、ゼクンダールシューレ以外にも、ベルーフシューレ(職業学校)を選択する方法もあります。
また、大学入学のための試験 アビトウアの他に、もう少し簡単な、Fachabitur といい、試験科目が少ないアビトウアもあるようです。
仕事をしながら、夜間に通学する夜間ギムナジウムもあります。
多くの選択肢がありますので、ウェルカムクラスの先生などに聞いてみることをお奨めします。