ドイツは、幼稚園から大学まですべて無料!
ドイツは、幼稚園から大学まで学費はほとんど無料です。そして、何歳になっても、大学に入学できる方法が存在します。多くの移民、難民がドイツに押し寄せる意味がわかります。
ドイツでしっかりと勉強の道、職業の道を進んでいけば、経験と資格を取得して、自分の職業を得ることができる仕組みが出来上がっているからです。
大学の入学平均年齢は25歳前後!
実際に、大学入学の平均年齢は、25歳前後で、多くの学生は、一旦社会に出て、仕事を経験してから大学に入学、海外経験、世界旅行をしてから大学に入学します。
日本では、大学卒業が就職へのパスポートを意味して、新卒という言葉で、大学卒業後は、すぐに就職しなければいけない雰囲気がありますね。
自分が何をやりたいのか? 自分に向いている職業な何か?こんなことを考える余裕さえないのが、日本の現状です。
大学入学を目指す、10歳からのギムナジウム
ドイツの教育制度は、州ごとの管轄になっています。ですので、例えば、ベルリンの教育制度と、ミュンヘンの教育制度は少し違ってきます。中学、高校の呼び方も違ってきます。
しかし、よくある情報では、ドイツの教育制度がすべて同じであるように書かれているので、誤解を生じることがあるのです。
ベルリンでは、10歳からギムナジウム(Gymnasium )に入学しますが、12歳で途中から入学してくる生徒もいます。
ギムナジウム( Gymnasium ) とは、大学を目指す、中高一貫校と表現するとわかりやすいですね。
ギムナジウム (Gymnasium ) とは、
ギムナジウム ( Gymnasium)は、ヨーロッパの中等教育機関。日米の「単線型」教育制度に対するヨーロッパの「複線型」教育制度のいわば根幹を成す存在ともされる。
高等教育への進学準備を目指す過程であり、イギリスのグラマースクール、シックスフォームカレッジに相当する。日本でいう中高一貫教育に近い。
ギムナジウムに入学しない生徒は、ゼクンダールシューレ( Integrierte Sekundarschule )という中学高校があります。こちらからでも、大学入学のためのアビトウア( Abitur )(大学入学試験、高校卒業試験)を受けることができます。
つまり、ギムナジウム ( Gymnasium )では、12年生でアビトウアを受けることができる。
ゼクンダールシューレ ( Integrierte Sekundarschule )では、13年生でアビトウアを受けることができる。こちらでは、1年多く勉強することになります。
大学入学のためのアビトウア試験
一旦、職業をもって、働き始めたけれど、やはり、大学に行きたいと希望するならば、アーベントギムナジウム( Abend Gymnasium, Berufliche Gymnasium )(夜間のギムナジウム)から、大学をめざして、アビトウア ( Abitur )試験(大学入学のための試験)を受けることができます。
つまり、何歳になっても、アビトウア ( Abitur )を合格すれば、大学にいくことができる制度になっています。
アビトウア ( Abitur )は、2回まで受けることができます。アビトウア ( Abitur )の資格は、生涯にわたって、通用します。
出典:Abitur-Noten-Das sind die besten Shulen Berlins
Berliner Morgenpost
日本人がドイツの大学に入学する方法とは?
- ドイツ親子移住で14歳までにドイツに住む
- 国際バカロレア(IB)を取得する
- 日本の大学1年を終了して、英語で授業の学部を選ぶ(IELTS必要)
- Test DaFに合格する (ゲーテ・インスティチュート参照のこと)
- 留学生試験、交換留学生として応募する
ドイツの大学で、英語で授業の学部、学科を調べる方法
ドイツ学術交流会の英語のサイトでドイツの大学で英語で授業の学部、学科を調べることができます。
日本語のドイツ学術交流会のサイトでは、ドイツの大学を調べることができません。日本語で調べることができないのが、不便ですね。
忘れてはいけないドイツのもう一つの大学、専門大学
日本では、大学というと、1つですね。University だけになります。
ドイツでは、専門大学で、学士が取得できます。ですので、日本の大学は、ドイツでは、専門大学レベルの大学が多いということです。
ドイツでの専門大学は、Hochschule と呼ばれます。
つまり、ドイツの総合大学(Universität) に行く人は、管理職、研究者を目指す人で、卒業に際しても、論文の評価が厳しいので、卒業も大変です。
ドイツの専門大学(Hochshule) は、総合大学より、より実践的ですので、就職に直結します。専門大学卒業の方が、就職が良かったり、お給料が高い場合もあるのです。
これらを考えると、日本では、大学の名前だけで選んでいることを反省しなければいけませんね。
ドイツでは、年金生活者も大学で聴講生として学べる!
ドイツでは、65歳以上の年金生活者が、もう一度大学で聴講生として学ぶことができる制度があります。
また、学費も半年で40ユーロ(6000円くらい)ですので、格安で学ぶことができます。
現在、お隣に住んでいる方も65歳前後ですが、週に2日くらい大学の美術学の聴講生として学んでいます。
何歳になっても学ぶことができる、また、学費もそんなにかからない制度は素晴らしいと思いませんか?
人間は働くことも大切ですが、学ぶこと、つまり、生涯勉強することがとても貴重で、充実した日々を過ごすことができるポイントだと思うのです。
例えば、若い頃、文系の分野しか学ばなかった人も年を経て、65歳すぎに、物理学の量子分野を研究したい方もいるはずです。
医学を学んできた方が、高齢になって、哲学、文学を学びたい方もいるはずです。そんな人間の学ぶ意欲を満喫できる制度があることが、本当の充実した社会の在り方ではないでしょうか?
このような生涯学習の制度も、お金のある方にしか学べないような格差社会でもよくないわけです。税金が正しく使われて、国民に戻ってくるような制度こそ、素晴らしい社会なのですが。
ドイツ人は、個人行動が好き!?
ドイツのカフェでは、高齢者が一人で食事やコーヒーを楽しむ姿がよく見られます。また、若い方もほとんどが1人で行動する方が多いです。
みんながしているから長いものに巻かれろ、集団でないと動けない、1人だと、おひとりさまとレッテルを貼られる国からみると、羨ましい限りです。
ここで思い出すのが、ドイツのゲシュタルトの祈りです。
私は私のために生きる。 あなたはあなたのために生きる。私はあなたの期待に応えるために生きているわけではない。あなたも私の期待に応えるためにこの世にいるわけではない。
高齢になっても、何歳であっても、自分の好きなことを学べる, 自分の道を存分に進むことができる社会こそ、理想的な社会ですね。
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