親子留学から子供さんをドイツの大学に入学させたいとご希望される方は、ぜひ、ドイツの大学というのは、日本と違い、どのようなものなのかを、簡単に掴んでおくことが大事であると思っています。
ドイツ人の先生が言われていたことを書きたいと思います。
ドイツの大学卒業は、以前はマギスターかドクターか・・であった・・
私自身、結局ドイツってどんな国なの?ということに興味があり、観察しておりますが、ドイツの方がドイツについて話す際にも、その方がどこの出身であり、どこで育ち、どんな大学で、どんな専門であったのか・・によっても、価値観が違いいろいろな回答が返ってきます。
東ベルリンのベルリンの壁の前あたりで育った女性の先生のお話などは、非常に面白かったです。東出身の方は、必ず二番手になってしまう(一番になれない)という話や、いままで東ドイツで収めていた年金などがなくなったとか・・東ドイツ時代は、モノは少なかったけれど、不安や心配がなかったというお話は、非常に印象的でした。ベルリンの壁が崩壊して、一番最初に西へ入っていったところが、マクドナルドだった(当時中学生だったから・・)というのも面白いですよね。教育は、東ドイツの方が良かった、進んでいたとも言われていました。
以前習っていた男性の先生は、ドイツ語の文法はB2C1レベルになると接続法くらいでそんなに大事ではないと言っていましたので、自分の意見を言ったり、読むこと、書くことが中心でしたが、今回の先生は、文法重視で、ドイツ語の文法を中心に進んでいきます。年配の先生であり、古い時代をよく知る先生です。その先生が言うことには、
ドイツの大学は、以前は、マギスター(マスターのこと)以上であり、修士、博士過程が当たり前であった。アメリカの影響で、バチェラー(学士)ができたが、ドイツでは、学歴を積んで、良い職業に就くためには、修士以上が必要であるという考え方がある。
こちらの先生は、ドイツの南部の出身ですので、更に厳しい考え方ですね。ドイツでも州によって異なり、大学の学部や学科によっても違いますが、古い時代はこのように考えられていたことを知っておくことが大事であると思います。
現在は、ベルリンなどでスタートアップ(起業)も盛んで多様性が進んでいますが、ある部分では、古い価値観が根強く残っていることも知っていた方が良いと思いました。
ドイツの学校の先生は修士以上ですので、上記の内容から見るに、納得できます。息子が言うには、厳しい学校(厳しいギムナジウム)では、ドイツ語の文法の間違いは絶対にダメ・・と言っていましたので、私にとっては、あ・・怖い・・と思ってしまいます。
ドイツのものづくりは、いかにクオリティーを高めるのか・・を追求してきたので、お客様重視のアメリカ的な考え方はしていなかったとも聞きました。愛想が悪くても、ものづくりに集中するというのが、ドイツの職人主義だったようです。
日本も昔はクオリティー重視だったのが、日本もアメリカの影響を受けて今となっては、売ることが大事、お客様が大事ということで、商売優先ですので、質が落ちてきてしまうということも納得できます。
お客様が大事で・・というのは、お金が大事で・・と言っていることと同じなのですね・・(笑)
古き良き時代と、今の時代感覚にあわせて・・と、どちらがよいのだろう・・と考えてしまいます。
そして、ドイツの学歴社会の考え方・・観察しているのはベルリンの学校になりますが、もう13歳くらいから学校によっても、かなりの格差があると思います。
ベルリンでは、ギムナジウム、または、ゼクンダールシューレの選択になりますが(ほかにもっとゆっくりコースというゲマインザムシューレがありますが・・)、12年か13年かの違いだけになります。ベルリンでは、ギムナジウムだから良い・・・というのはないようです。しかし、古い考え方だといまだに古い時代の価値観で捉えている方も多いようです。
ゼクンダールシューレでもアビトウアの点数が高いところもありますので、違いは、12年で卒業、13年で卒業の違いだけです。12年で早く卒業させた方が、国の負担が助かるという目的だそうです。
そして、ギムナジウム(中高)も、ベルリンでは、ピンキリとなります。外国人としては、あまりにもレベルの高いところに行くと、厳しくなりますので、外国人率をよく見ることが大事です。
そして、ドイツの大学の背景を鑑みながら、自分の子供にはどこがあっているのだろうか?とよく考えることが大事(ここが非常に大事で、徹底的にティーン時代にしなければいけないことになります!)で、日本のように、大学の名前だけで選んだり、有名だから・・という選択は好ましくありません。
(私自身、名前で学校も新卒の就職先も選びました。多くの方が日本ではそうだと思います。しかし、ドイツでは価値観をかえなければいけないのです!世間体や親の見栄なども捨てていかないと・・子供の本質にたどり着けないと感じています。多くの子供が将来的に悩む原因は、親の世間体や見栄が子供の本質を邪魔しているから・・ではないでしょうか・・。この内容は、ずっと追求していきたい内容かな・・と思います。親の問題がかなり大きいのです・・)
よほど、自分にあっていないと、卒業まで続かないということです。(我が家もこれからですので、このことに関しては徹底的に調べています・・。)10人入学すると、大学卒業まで残ることができる生徒は、3人くらいだそうです。日本人でドイツの大学で勉強されていた方も、きちんと卒業している方はどちらかと言うと少数派なような気がします。理系や芸術系だと、文系よりは到達できるのかなと見ています。
ドイツの大学(総合大学)とは、よほど勉強が好きで、研究が好きで、何か専門的なものを目指す人・・このあたりが大事になります。そのほかに、専門大学もありますので、実践的な方が合っている方は、専門大学(Hochshule)が好ましいです。専門大学も学士、修士があります。専門大学は、博士課程はないところが、総合大学との違いになります。
観察していると、ドイツ人も外国人もまずは、総合大学や専門大学の国公立を目指して、(こちらも限定でいくつかになりますので)、これができなければ私立の専門大学に流れて行くようです。
親子留学から進む場合は、真剣に取り組んでください。
親子留学から日本の大学に行くのか、ドイツの大学に行くのか・・・
親子留学では、親の滞在許可の更新をうまくすすめること・・という問題と同時に、子供が日本の大学に行くのか、ドイツの大学に行くのか・・などは悩ましい問題です。どちらに行くのかで、その前段階の準備も違ってくるからです。
ドイツの大学は、日本の大学と違い、卒業をするのが大変ですので、自分の好きな分野を徹底的に探すことです。
聞いたところによると、多くの方が学部学科の選択を間違えて、途中で変更されている生徒も多いということです。
同時に、ドイツ人に人気な学部、学科を避けることも大事です。文系、経営学科系、法律系などは、ドイツ人が得意とするところで、混んでいますので、避けた方がいいのかなとも思います。
工学部、情報科学部などは、中東系、インド系、中国系の学生が非常に多いようです。現在はトルコからの生徒も非常に多くなっています。ブラジルなどの南米系も多いです。
アメリカの大学、中国、インドの大学に比べて、ドイツの大学は、最先端の分野に関しては遅いのかな・・とも感じます。
ポイントは、自分で家を探したときにすぐに気がついた大事な点と同じように、ドイツ人が狙わないところを狙え・・というのがあります。
日本での就職を希望する場合は、日本の大学に帰国生で戻るのが良いでしょう。
子供が海外と日本とどちらの方向でいくのがよいのか・・・これは、親と子供自身が一番適しているところを選ぶことだと考えています。
人の真似をしたり、流行を追いかけたりしないこと・・・これが一番重要ですね。
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