ドイツの教育といっても、すべて同じではなく、ドイツの学校や教育システムは州ごとによって管理されているので、違ってきます。
よくある間違いとして、10歳でドイツの教育は、大学進学コース、または、職業訓練コースを選択しなければいけないと書いてあるブログなどもたくさんありますが、
ベルリンにおいては、そういうことはなく、小学校6年生まで卒業してから、大学進学コースのギムナジウムに進学する生徒もたくさんいます。
ベルリンでは、ギムナジウムとゼクンダールシューレに分かれますが、ゼクンダールシューレでも13年生の最後にアビトウーアの試験を合格して、大学に入学できます。
ドイツ親子留学したら、子供はどのように進んでいくのでしょうか?
ドイツ親子留学(親子移住)をして、その先、2年、4年、6年、8年とどのように進んでいき、どのように日本の教育システムと違うのか?と不安になる方も多いと思います。どのようになっていくかを書いてみたいと思います。
1.ドイツ親子留学を6~11歳までにする場合
最初の1年間は移民クラスでドイツ語を中心にした授業を受けます。1年後に通常のクラスに合流していきます。
ベルリンでしたら、12歳までにギムナジウムに進学するか、ゼクンダールシューレに進学するかを決定します。
6歳からドイツの小学校に通学している場合は、小学校5年生からギムナジウムに進学しても大丈夫です。
ギムナジウムに入学したい場合は、算数、理科、英語を一生懸命勉強しておきましょう。
2.ドイツ親子留学を12歳以降にする場合
ドイツの学校に12歳以降に入学する場合は、ギムナジウムに併設しているウェルカムクラス(移民クラス)に入学します。
こちらのウェルカムクラスで1年間ドイツ語を勉強して、1年後にB1レベルに合格し、数学、英語の授業についていけることが条件で、ギムナジウムに入学できると言われています。
ギムナジウムでない場合は、ゼクンダールシューレに入学します。
ギムナジウムでは、12年生に大学入学試験、ゼクンダールシューレでは、13年生に大学入学試験があります。
3.ドイツの大学とは?
ドイツの総合大学は、研究をするところです。管理職や研究者を目指す生徒が入学するところです。日本での大学院レベルに近いものになります。
大学入学試験に合格しても、すぐに大学に入学しない生徒もたくさんいます。
アビトウーアという大学入学許可の資格は、一生涯通用します。
ドイツの大学は、入学しても、卒業するのが非常に厳しいです。中途退学も非常に多いと言われています。
通常は3年で卒業らしいのですが、4~5年かけて卒業する生徒が多いそうです。
大学を卒業しても、日本のように就職が簡単にできません。まずは、アウスビルディングという訓練生(インターシップ)を2~3年経てから、正式に職業をもつようになります。インターシップの間も、お給料は支給されます。
ここで大切なのは、大学や大学院の専門科目と職業の内容が一致していることです。
そのために、大学でいくつもの学科を履修して、専門科目を変えていく生徒もたくさんいるようです。
例えば、最初は法律学科と希望していたけれど、やはり、自分にあっていないので、経営学科に移行したい・・などもありますよね。そのような変更をしていると、大学での研究時間が増えていくのです。
しかし、良いところは、自分が何をやりたいかをじっくりと見極めることができるところです。日本のように、成績は就職に有利なように点数を取り、大学3年から就職活動をして・・などという、大学卒業が就職のパスポートのようには、なっていません。
息子の空手の友人に18歳で、アビトウーアを合格した生徒がいますが、まだ、大学入学を決定していない状態で、イタリア旅行をしているようです。自分が何をしたいか・・考えているのでしょう。
日本人として、外国人、東洋人がドイツの国内で就職していく・・というのも、大変だと思います。もちろん、人種差別などにも遭遇することでしょう。
4.ドイツで日本人が就職するためには?
ドイツ親子留学を小学生のうちからしておけば、就職する年齢では、もうドイツ語も現地人と同じになっていますので、問題がないと思います。
しかし、日本人がドイツで就職する場合、見た目がアジア人、東洋人ですので、そのあたりで不利になることも少なからず、あると思うのです。
ですので、そんな人種差別を乗り越えるためにも、学位はなるべく高く・・ということで、できたら、大学院の修士、博士くらいまで到達していることも重要だと考えます。
(学部の選択も、もちろん時代の需要にあわせることも就職のためには、必要な場合もあります。)
また、オーストラリアで聞いたのですが、日本人の名前だと履歴書も見てもらえない場合も多いので、西洋の名前を付けた方がよい・・という事例もあるようです。
ドイツ親子留学で、なるべく早い年齢のうちにドイツで成長していくことで、そのようなことも、子供さんが自力で理解していくことでしょう。